2021年6月22日にFDAの腫瘍学研究拠点(The Oncology Center of Excellence:OCE)はOncology Real World Evidence Programを開始し、新しいWebページが開設されました。1)
このプログラムの目標は、レギュラトリーサイエンスへの体系的なアプローチを用いて、承認前および承認後のオンコロジー製品の開発を促進するための科学的知識の発展とRWDの厳密な方法論の使用に焦点を当てています。
以下に、プログラムの概要を示します。
【ミッションステートメント】
オンコロジー製品の開発において、RWEを適切に活用し、患者を中心とした規制当局の意思決定を促進することを共同で推進する。
【戦略的優先事項】
- 研究の効率性、透明性、多様性を確保したオンコロジーRWD研究ポートフォリオの一元化による知識の蓄積の最適化をする。
- 方法論的な研究と協力に基づいて、RWDの適切な使用に関するリソース、規制政策、ガイダンスの科学的な開発を進める。
- FDA、連邦政府機関、および官民パートナーシップを通じた実用的で適切なRWDの使用を促進する戦略的パートナーシップを通じて協力すること。
- 厳格な評価、方法開発、規制科学におけるリーダーシップとトレーニングを通じて、オンコロジーRWEの分野を加速する。
【重点領域】
- レギュラトリーレビュー
- レギュラトリーサイエンスとコラボレーション
- 規制政策
- 教育およびエンゲージメント
【Team FoRWD】
オンコロジーでのRWEの薬事利用を促進するために、TEAM FoRWD(Translational Evaluation and Assessment of Methods to Facilitate use of Oncology RWD)が結成された。TEAM FoRWDは、薬剤疫学、血液・腫瘍学、疫学、生物統計学、規制科学の専門知識を有するFDAの科学者で構成されている。
【外部研究協力機関】
- Friends of Cancer Research Patient Reported Outcomes Collaborative :OCE Patient-Focused Drug Developmentチームとの共同研究
- Project Datasphere:FDAとの官民連携によるオンコロジー臨床研究の加速化
- LUNGevity:リアルワールドでの肺がんの患者体験と規制当局による設定との比較
- Apple:Digital Symptom Reportingを用いた開発ツールの設計と検証(OCE Patient-Focused Drug Developmentチームとの共同研究)
- COTA::腫瘍学におけるRWEの応用を理解するためのマスタープロトコル
- Flatiron:リアルワールドの臨床特性とがん患者の治療について
- Syapse:オンコロジーにおける規制上の考慮事項を知るためのリアルワールドでの臨床特性について
- 米国国立がん研究所:Patient Reported Outcome Measuresのためのデジタルヘルス技術の利用促進(Appleとの共同)
引用
- U.S. Food & Drug Administration. Oncology Real World Evidence Program. https://www.fda.gov/about-fda/oncology-center-excellence/oncology-real-world-evidence-program